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南青山五丁目午前十時――真利子と麻美のふたり話し【4】

【第4回】(2011/02/27)

真:ねえ、最近さ、なんか反抗してる?
麻:なによ、いきなり。
真:だって、私たち、「おとなの言うこときかない少女ふたり組み」だったじゃない。
麻:いつの話よ(笑)。
真:なによ、笑うことないじゃない。そりゃあ、もう20年近く前のお話しですけど。
麻:もちろん覚えてるわよ。あなた私にしつこく言ってたものね。「日本のストロベリー・スウィッチブレイドになろうって」(笑)。
真:そうよ。そうですわよ。あなたが拒否し続けたんじゃない、それ。
麻:そりゃ、わたくし、趣向がちがいましたからね、あなたとは。
真:そうそう。あなたはKLFひと筋でしたものね。さすが、クリエイターになるおかたのセンスはちがうわよね。
麻:私だって好きだったわよ、ストロベリー・スウィッチブレイド。でも、あなたとふたりであれ目指すのはちょっとなんだか……、そのまま過ぎるって思ってさ。
真:何度もやったわよね、このやりとり。結局私が根負けしてなんにもならなかったわけだけど。
麻:あなた、まだそのこと根にもってるの?
真:いや、そうじゃないけどさ。でもやるんならあなたとしかない、ってあの当時は強く思ってたの。
麻:それはありがとう。光栄だわ。
真:やってたら何か変わってたかな? 私とあなた。
麻:さあ。「青春のいちページ」以上のものになったかどうかは、はなはだ疑問ね。
真:私はさ、いまから思えば「青春のいちページ」でもよかったよ。でもあのときは、これで自分を変えるんだ、そして世の中変えるんだ、くらいに思ってたからね。だから、あなたに断られ続けて、「じゃあもうだめだ、なにもかも」ってなっちゃった。ゼロか100しかなかったの。
麻:若い頃だものね。まあ、甘えといえば甘えだけど。
真:わかってるわよ、もちろん。甘えよ。
麻:責めてるわけじゃないのよ。
真:それもわかってる。
麻:でもね、何もできなかったって思ってるいまのほうが、当時の私たちより、ずっと「反抗する少女」に近いのかもしれないよ、実は。
真:なんとなくわかるのよ、それ。でも、言葉に出してしまうと、言い訳になってしまいそうでね。特に私はさ、主婦なわけでさ。
麻:そういう次元のことじゃないこと、わかってるでしょう?
真:うん……。
麻:いいのよ、それで。それ以上考えないの。
真:わかった。私は、これで、オッケー。
麻:そう。それがいまのあなた。そしていまの私。そこからよ、すべては。
真:またこの話、していい?
麻:いいわよ。どんどんしましょう。これからの私たちのためにね。▲
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by womenscrossing | 2012-01-28 23:49 | [連載]南青山五丁目午前十時