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by womenscrossing
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南青山五丁目午前十時――真利子と麻美のふたり話し【1】

【第1回】(2011/01/28)

真:ねえ、さいきんどんな感じ?
麻:なによ、それ。そんな久しぶりでもないのに。一週間前もこの店で会ったばかりじゃない。
真:いや、だけどさ、ほら、私なんて特になにもないからさ。
麻:子なしの専業主婦なんてそんなもんだから、っていうんでしょ、また。
真:前も言ったっけ。いっつも言ってるか、それ。
麻:私だってそんなにおもしろい話なんてないわよ、別に。仕事だって、ひとりでやってるんだし。あなたのほうが、まだダンナさんといっしょにいるんだから、なにかあるでしょ。
真:ないない(笑)。微妙に仲がいい夫婦ってね、なんにもないのよ。恋心もケンカもないなんて、つまんないよー。
麻:別にいいじゃない、それでいいって思ってるんだから。
真:あなただって、いくらでも付き合おうと思えばそうなれる人、いっぱいいるのに、あえてそうしてないのは、それでいいって思ってるんでしょ。
麻:まあね、めんどくさいから。
真:わかるー。私もそうすりゃよかったかな。それであなたみたいにさ、ひとりでクリエイティブな仕事するの、小さくてもいいからひとりで住む部屋借りて。
麻:私が言うのもイヤミっぽいかもしれないけど、そんな簡単じゃないわよ。
真:そうよね。私だって、ダンナが家賃払ってくれてるから好きにできてるだけだからねー。才能ったってねー、趣味のイラストくらいじゃね。あ、まただー。私さ、この店でカフェオレ飲むときさ、砂糖の入れ具合がいっつも困るんだよねー。ほら、ここ角砂糖じゃない。スティックだと何分目までって、入れるとき調節できるんだけどさ、角砂糖って入れるときどうしようもないじゃん。で、あー、全部溶けちゃったら甘すぎるのにーって、入れてから思っても、どんどん溶けていってどうしようもなくて、結局全部溶けちゃったやつを飲むの。いっつもね。またやっちゃった。
麻:いいじゃない、別にそれくらい。気にするほどのことじゃないでしょ。
真:気にするほどのことじゃないから気にしちゃうんじゃないー。
麻:そんなもんか。そんなもんね。▲
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by womenscrossing | 2012-01-28 23:48 | [連載]南青山五丁目午前十時